WILD VEGETABLES

山菜 — 森の恵みをいただく

春は山菜の季節。探さなくても身近にたくさんある恵みを採り、畑に移植し、採りすぎた分は保存食に。ニセコの森の恵みとの暮らしです。

トップ山菜

春の山菜

2010年 5月

春は山菜の季節。ふきのとう、行者にんにく、タラの芽、ウド、フキ、こごみ、オオバユリ、笹の子、ぜんまい、イラクサ、よもぎ、エゾエンゴサク、やちぶき、などが採れます。特にウド、こごみ、オオバユリ、笹の子、ぜんまい、よもぎは探さなくてもたくさんあるので、採集は簡単です。

山菜の食べ方 — 山菜別レシピ

とれた山菜ごとに、代表的なレシピを材料・分量・作り方つきで紹介します。分量は目安なので、お好みで調整してください。森の恵みは、香りとほろ苦さを生かしてシンプルにいただくのが一番です。

採取の前に — ご注意
山菜は必ず種類を正しく見分け、有毒植物と間違えないよう注意してください。判断に迷うものは口にしないこと。アクの強いものは、調理前に下処理(下茹で・水さらし)が必要です。
ふき味噌
ふきのとう

ふき味噌

ほろ苦さと春の香りが甘辛い味噌に溶け合う常備菜。温かいごはんや焼き味噌としても。

材料

作りやすい分量
  • ふきのとう10個(約60g)
  • 味噌大さじ3
  • 砂糖大さじ2
  • みりん大さじ1
  • 大さじ1
  • ごま油大さじ1

作り方

  1. 外側の汚れた葉を除き、さっと洗う。刻んだらすぐ水にさらし、5分ほどでアクを抜いて水気を絞る。
  2. 味噌・砂糖・みりん・酒を合わせておく。
  3. フライパンにごま油を熱し、刻んだふきのとうを中火で1〜2分炒める。
  4. 合わせ調味料を加え、弱火で焦がさないよう練りながら、もったりするまで5〜7分煮詰める。
  5. 冷めると固まる。清潔な容器で冷蔵1〜2週間保存可。
行者にんにくの醤油漬け
行者にんにく

醤油漬け

常備しておける一瓶。刻んで冷奴・卵かけご飯・餃子の具に。香りが長く楽しめる。

材料

作りやすい分量
  • 行者にんにく1束(約100g)
  • 醤油100ml
  • みりん大さじ2
  • 大さじ2
  • 唐辛子(好みで)少々

作り方

  1. 根元のかたい部分と赤い薄皮を除き、洗う。
  2. 熱湯で10〜20秒さっと湯通しし、冷水にとって水気をよく切る。
  3. みりん・酒を小鍋でひと煮立ちさせ(煮切り)、醤油を加えて冷ます。
  4. 保存容器に行者にんにくを入れ、冷めた漬け汁を注ぐ。
  5. 冷蔵で半日〜1日で食べ頃。1週間ほど保存可。
タラの芽の天ぷら
タラの芽

天ぷら

山菜の王様。中はほくほく、ほのかな苦みが春らしい。塩でシンプルに。

材料

2人分
  • タラの芽8〜10個
  • 薄力粉50g
  • 冷水80ml
  • 1/2個
  • 揚げ油適量
  • 少々

作り方

  1. 根元のかたいはかまを除き、大きいものは根元に十字の切り込み。洗って水気を拭く。
  2. ボウルに卵と冷水を混ぜ、薄力粉を加えてさっくり混ぜる(混ぜすぎない)。
  3. 揚げ油を170℃に熱する。
  4. タラの芽に薄く粉(分量外)をまぶし、衣にくぐらせ、1〜2分カラッと揚げる。
  5. 油を切り、塩でいただく。
ウドの酢味噌和え
ウド

酢味噌和え

シャキッと爽やかな一皿。むいた皮も、きんぴらにして無駄なく。

材料

2人分
  • ウド1本(約150g)
  • 酢(さらす用)少々
  • 【酢味噌】
  • 味噌大さじ1.5
  • 砂糖大さじ1
  • 大さじ1
  • 練りからし(好みで)少々

作り方

  1. ウドは皮を厚めにむき、短冊または乱切り。酢水(水500ml+酢小さじ1)に5分さらしてアクを抜き、水気を切る。
  2. 酢味噌の材料を混ぜ合わせる。
  3. ウドを酢味噌で和える。食感を残すため食べる直前に和える。
  4. むいた皮はきんぴらに(ごま油で炒め、醤油・みりんで味付け)。
きゃらぶき
フキ

きゃらぶき

醤油で煮しめた、つやのある常備菜。ごはんにもお酒にも合う。

材料

作りやすい分量
  • フキ200g
  • 塩(板ずり用)少々
  • 醤油大さじ3
  • 砂糖大さじ1.5
  • みりん大さじ1
  • 大さじ2

作り方

  1. フキを鍋に入る長さに切り、塩少々をふって板ずりする。
  2. 熱湯で3〜4分下茹でし、冷水にとって筋(皮)をむき、水にさらしてアクを抜く。
  3. 3〜4cmに切る。
  4. 鍋に調味料とフキを入れ、落とし蓋で汁気がなくなるまで中弱火で15〜20分煮る。
  5. 冷蔵で1週間ほど保存可。
こごみのごま和え
こごみ

ごま和え

くせがほとんどなく、山菜入門にぴったり。手早く作れる。

材料

2人分
  • こごみ100g
  • 【ごまだれ】
  • すりごま大さじ2
  • 醤油大さじ1
  • 砂糖小さじ2

作り方

  1. 先の巻いた部分の茶色い薄皮をこすり洗いし、根元を切る。
  2. 塩少々を加えた熱湯で1〜2分茹で、冷水にとって水気を絞る。
  3. すりごま・醤油・砂糖を混ぜ、こごみを和える。
  4. おひたし(だし醤油で和える)にしても美味しい。
ぜんまいのナムル
ぜんまい

ナムル

ぜんまいはアク抜きが要るが、干して戻せば保存がきき、味わい深い一品に。

材料

2〜3人分
  • 干しぜんまい30g(戻して約150g)
  • ごま油大さじ1
  • 醤油大さじ1
  • 砂糖小さじ1
  • おろしにんにく少々
  • すりごま適量

作り方

  1. (生の場合)綿毛を取り、重曹少々で茹でて一晩おきアク抜き→天日干し。干しぜんまいはたっぷりの水で一晩戻す。
  2. 戻したぜんまいを食べやすく切る。
  3. フライパンにごま油を熱し、ぜんまいを炒め、醤油・砂糖・にんにくで味付け。
  4. 汁気がとんだらすりごまをふる。
よもぎ餅
よもぎ

よもぎ餅

噛むほどに春の香り。白玉粉で手軽に作れる。

材料

約10個分
  • よもぎ(新芽)50g
  • 重曹少々
  • 白玉粉100g
  • 80〜90ml
  • 砂糖大さじ1
  • きなこ・あんこ(仕上げ)適量

作り方

  1. よもぎは若い葉先を摘み、洗う。重曹少々を入れた熱湯で2〜3分茹で、冷水にさらしてアクを抜き、水気を絞って細かく刻む(またはすり鉢でする)。
  2. 白玉粉に砂糖と水を少しずつ加えて耳たぶくらいの固さにこね、よもぎを混ぜる。
  3. 一口大に丸め、熱湯で茹でる。浮いてきてから2〜3分。
  4. 冷水にとって水気を切り、きなこやあんこでいただく。
オオバユリの鱗茎の含め煮
オオバユリ

鱗茎の含め煮

でんぷん質の鱗茎を「ゆり根」のように、だしで含め煮に。ホクッと甘く仕上がる。茶碗蒸しの具や天ぷらにも。

材料

2〜3人分
  • オオバユリの鱗茎約200g
  • だし200ml
  • みりん大さじ2
  • 薄口醤油小さじ2
  • 砂糖大さじ1
  • 少々

作り方

  1. 鱗茎を1枚ずつはがし、傷んだ部分や茶色い部分を除いて洗う。
  2. 熱湯でさっと2〜3分下茹でし、ザルにあげる(えぐみを和らげる)。
  3. 鍋にだし・砂糖・みりん・薄口醤油・塩を合わせて温め、鱗片を入れる。
  4. 落とし蓋で弱火で7〜10分、透き通ってホクッとするまで煮る(煮崩れ注意、混ぜすぎない)。
  5. 火を止めてそのまま冷まし、味を含ませる。

※鱗茎が育つには年数がかかります。採りすぎず、持続可能な範囲で採取を。

アイヌ伝統のでんぷん餅(トゥレプ)
オオバユリ・アイヌ伝統食

でんぷん餅(トゥレプ)

アイヌの人々はオオバユリを「トゥレプ」と呼び、その鱗茎は大切なでんぷん源でした。でんぷんを水にさらして取り、練って餅(シト)にします。手間はかかりますが、その味わいは土地の歴史そのもの。(残った繊維は、伝統的に発酵・乾燥させて輪状の「オントゥレプ」にしました。)

材料

採れた量で
  • オオバユリの鱗茎採れた分
  • 水(さらし用)たっぷり
  • 【仕上げ】
  • きなこ・砂糖/あんこ適量

※でんぷんの収量は少ないので、鱗茎は多めに。持続可能な範囲で採取を。

作り方

【1】でんぷんを取る
  1. 鱗茎をよく洗い、繊維ごとすりつぶしてペースト状に。伝統的には臼と杵で搗く。家庭ではすり鉢やフードプロセッサーで。
  2. ペーストをたっぷりの水に入れ、よく揉み出してでんぷんを水中に溶かし出す。
  3. ザルや布で繊維をこし取り、繊維は取り置く(伝統ではこれを発酵させ「オントゥレプ」に)。
  4. こした白い液を静置し、でんぷんを沈殿させる(数時間〜一晩)。
  5. 上澄みを静かに捨て、新しい水を加える。この水さらしを数回くり返してえぐみを抜き、白くする。
  6. 沈殿した白いでんぷんを集める。すぐ使うか、乾かして粉にして保存。
【2】餅にする
  1. でんぷんにぬるま湯を少しずつ加え、耳たぶくらいのなめらかさに練る。
  2. 小さく丸め、平たいだんご状にする。
  3. たっぷりの熱湯で茹でる。浮いてきてから2〜3分、半透明でもちっとするまで。
  4. 冷水にとり、水気を切る。
  5. きなこと砂糖、またはあんこでいただく。伝統的には行者ニンニクや魚と合わせても。
笹の子とサバ缶のみそ汁
笹の子(根曲がり竹)

サバ缶のたけのこ汁

北海道・東北で愛される定番。甘くやわらかい笹の子を、サバ缶と味噌で仕立てる、ごちそう汁。

材料

3〜4人分
  • 笹の子(根曲がり竹)8〜10本
  • サバ水煮缶1缶(190g)
  • だし(または水)700ml
  • 味噌大さじ3
  • 長ねぎ(好みで)少々

作り方

  1. 笹の子は皮つきのまま魚焼きグリルで焼くと、皮がむきやすく香ばしい。または茹でて皮をむき、根元のかたい部分を落とす。
  2. むいた笹の子を斜め切り(大きいものは縦半分)。
  3. 鍋にだしを沸かし、笹の子を入れて2〜3分煮る。
  4. サバ水煮を缶汁ごと加え、ひと煮立ちさせる。
  5. 味噌を溶き入れ、煮立てないように仕上げる。器に盛り、好みで長ねぎを散らす。

別法:皮つきのまま丸焼きにし、醤油や味噌でいただくのも簡単で美味。

写真について:料理写真は、コード内のファイル名(例:img/dish_fukinotou.jpg)でimgフォルダに入れると表示されます。それまでは「準備中」表示になります。

山菜の移植

山菜はほど、たらの芽、行者にんにくを移植しています。ウドやタラは、家の近くに移植しておくと、毎年増えていってうれしい。

移植した山菜

身近な恵みを育てる:採るだけでなく、暮らしのそばに移し、少しずつ増やしていく。森と畑の境界をゆるやかにつなぐ試みです。

山菜の保存

ウド、こごみ、オオバユリ、笹の子は探さなくてもたくさんあるので、採取は簡単。しかし、採りすぎて食べきれないときは保存します。山菜の保存のために加工するのは必要で結構な作業量、また楽しみでもあります。保存は、こごみは干して、オオバユリ・笹の子・ふき・こごみは湯がいて塩漬けにします。

いろいろ試行を重ねて、保存技術の向上を目指します。

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